スーパーハイビジョン技術が進展―NHK技研

2012年 5月 22日 19 : 38 印刷する

NHK放送技術研究所が開発を進めるスーパーハイビジョン(SHV)技術が進展している。SHV表示システムでは昨年の85インチ液晶ディスプレイに続き,今年は145インチのプラズマディスプレイを発表した。スペックは画素数(H×V)が7680(RGB)×4320,画素ピッチが0.417mm,走査方式が60Hz順次走査,入力インターフェースがHDMI(Ver.1.3)となっている。今回新たに投入した技術の一つがマルチライン同時走査法だが,通常のプラズマディスプレイは画像表示する際,画面の垂直方向に並ぶ画素を1ライン毎(1/60秒の間に)走査させているが,新走査法では複数のラインを同時に走査させることでパネル全体の映像表示を安定化させた。実際のSHV映像は没入感が極めて高いものとなっていた。

 

 

一方,SHV用撮像技術についても実用化に向けての新たなフェーズに入っている。一つは3300万画素イメージセンサだが,今回従来の60Hzから倍となる120Hzに高めたほか,有効撮像域の対角長を33mmから25mmに,さらに消費電力を3.7Wから2.5Wに抑制した。このイメージセンサに関してはスペック的に既に実用レベルに到達しているとし,今後は高感度化に注力していく方針だ。SHVをフルスペックで撮影する際にはこのイメージセンサを3枚搭載した3板式カメラも開発されている。また,SHVへのアップコンバータを利用することでSHV映像を撮影可能な単板式カメラも試作。これにより,カメラヘッドは現行のハイビジョン放送用カメラと同等のサイズ・重量・形状を実現し,市販のレンズの利用も可能にした。今後はアップコンバータをカメラに内蔵も視野に開発を進めていくとしている。

 

 

これらの成果は,同研究所で行なわれる技術発表会「技研公開2012」(5月24日~27日)にて一般に公開される。

http://www.nhk.or.jp/strl/open2012/

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